多くの洗剤には「まぜるな危険」と大きめに記載されています。
黄色と赤い文字で大きく書かれていて不安になりませんか?
しかし、具体的には何と何を混ぜたら危険なのかわからないですよね。
そこでこの記事では「まぜるな危険」について以下を解説します。
- そもそも「まぜるな危険」とは
- 混ぜてはいけない洗剤5例
- もしも混ぜてしまったら…?対処4ステップ
- 具合が悪くなってしまったら
「まぜるな危険」の洗剤は重大な健康被害につながる可能性があるので、この記事を参考に注意して扱うようにしましょう!
洗剤を混ぜて使うことを推奨している記事ではありません。
万が一のトラブル回避のための記事ですので、意図的に混ぜて使用しないでください。
また、この洗剤は混ぜても大丈夫?というお問い合わせにはお応えできませんので、予めご了承ください。
やむを得ず洗剤を続けて使用する場合は、都度十分に水で洗い流してから使用してください。
「まぜるな危険」とは?
洗剤に表記されていることが多い「まぜるな危険」。
私の家にある洗剤にもこのように大きく書かれています。
「とりあえず他の洗剤と使わない方がいいんだろうな」ぐらいに認識している人は多いのではないでしょうか。
私も調べるまでは何と何を混ぜたらいけないのかまでは把握していませんでした。
早速、何と何を混ぜるとだめなのか、混ぜると具体的にどうなるのかを確認していきましょう。
混ぜると塩素ガスが発生
「まぜるな危険」と書かれている洗剤を混ぜると、「塩素ガス」が発生します。
さらに詳しく説明すると、「まぜるな危険」とは、「酸性」と「塩素系」の洗剤を混ぜるなということであり、混ぜてしまうと有毒なガスが発生するということです。
塩素ガスは、吸ってしまうと肺水腫などの重篤な呼吸器障害を起こす可能性があって大変危険です。最悪の場合、死につながる恐れも。
東京都福祉保健局でも「まぜるな危険」の専用ページを作って注意喚起しています。
知らず知らずのうちに塩素ガスを発生させてしまうケースもあり、十分に気をつけなければなりません。
例えば以下のような災害事例があります。
・酸性洗剤が撒かれているのを知らずに漂白剤洗剤の原液を撒き、塩素ガスが生じてしまった。急性呼吸不全を発症した。
・タイルワックスの量が少なかったので、次亜塩素酸ソーダを追加したところ塩素ガスが発生。塩素ガス中毒と診断され、その後亡くなった。
命に関わることなので「まぜるな危険」の洗剤を扱う際は十分に気をつけて使用するように心掛けましょう。
塩素系と酸性の組み合わせに要注意
繰り返しになりますが、「まぜるな危険」とは、「塩素系」の洗剤と「酸性」の洗剤を混ぜてはいけないということです。
塩素系洗剤は抜群の漂白力と殺菌力、消臭作用を持っています。
そのため衣類やキッチンなど幅広く漂白できて、カビ掃除にも優れた洗剤です。
酸性洗剤は、水垢や尿石などのアルカリ性の汚れ落としに使われます。
お風呂の水垢を落としたり、トイレの尿石を掃除したりするのに適した洗剤です。
どちらも家にはよくある洗剤ですが、混ぜて使うと塩素ガスが生じる可能性があるので気をつけて使用してください。
弱酸性も「まぜるな危険」に含まれる
弱酸性の洗剤も「まぜるな危険」に含まれます。
私たちが毎日使っている食器用洗剤も弱酸性洗剤です。
「酸性と言っても弱酸性なら大丈夫だろう」と思って塩素系の洗剤と気軽に合わせて使わないように気をつけましょう。
混ぜてはいけない洗剤5例
「まぜるな危険」は「酸性」と「塩素系」の洗剤を混ぜてはいけないということと、混ぜてしまうと命にかかわる塩素ガスが発生してしまうことを解説しました。
ここからはさらに踏み込んで、日常で使いやすい具体的な洗剤を例に挙げ、組み合わせがNGなものを確認していきましょう。
塩素系漂白剤×レモン(酸性)
塩素系漂白剤とレモンは混ぜてはいけません。
レモンには酸性のクエン酸が含まれています。
このように、洗剤に限らず酸性のものだと塩素系漂白剤と反応してしまいます。
レモンに限らずクエン酸が含まれるものには気をつけてください。
×ダメな例
三角コーナーや排水溝のゴミ受けにレモンの皮を残したまま、塩素系漂白剤を使用
排水溝クリーナー(塩素系)×酢(酸性)
排水溝クリーナーは塩素系で、酢は酸性!危ない組み合わせです。
酢は水垢汚れに強いので、シンクの掃除に使う人もいますよね。
しかし、シンクに残った酢と排水溝クリーナーが混ざると塩素系ガスが発生する恐れがあるため、それぞれ掃除したい場合でも別々に使うようにしてください。
×ダメな例
酢でシンクを掃除した後に流さずに排水溝クリーナーを使用する
排水溝クリーナーと酢を混ぜてシンク全体を掃除する
カビ取り剤(塩素系)×トイレ用洗剤(酸性)
カビ取り剤とトイレ用洗剤の組み合わせも「まぜるな危険」です。
トイレにカビを発見した際、まずカビ取り剤を使おうと考えますよね。
「ついでに全体的に掃除しよう!」と考えてトイレ用洗剤を使いたくなりますが、危ないのでやめましょう。
塩素ガスの発生を防ぐためには、それぞれ間隔を空けて使った方がいいでしょう。
×ダメな例
トイレをカビ取り剤で掃除した後に、流さずにトイレ用洗剤を使う
トイレ用洗剤を使ってもカビが落ちなかったので、カビ取り剤と混ぜる
カビ取り剤(塩素系)×お風呂用洗剤(酸性)
カビ取り剤とお風呂用洗剤の組み合わせもダメな例の1つです。
お風呂はカビが生えやすい場所なので、塩素系のカビ取り剤をよく使う場所の1つではないでしょうか。
しかし、お風呂用の洗剤は水垢に強い酸性を示すものが多数。
この2つの組み合わせも塩素ガスを発生させてしまうため、同時に使うべきではありません。
×ダメな例
お風呂内でカビ取り剤を使用後、流さずにお風呂用洗剤を使って掃除する
カビ取り剤とお風呂用洗剤を混ぜて洗剤を作る
衣類用漂白剤(塩素系)×除菌に特化した洗濯洗剤(酸性)
「まぜるな危険」の5つ目は、衣類用漂白剤と除菌に特化した洗濯洗剤の組み合わせです。
通常、洗濯洗剤はアルカリ性ですが、除菌効果が期待できるものには酸性を示す洗剤もあります。
効果を高めるつもりで2つを混ぜてしまうと塩素ガスが発生してしまうため、どちらかを使用して1度洗ってから使うようにしてください。
×ダメな例
塩素系漂白剤と除菌特化の洗濯洗剤を混ぜて使う
塩素系漂白剤で漬けおきしたあとすすがずに、除菌特化の洗濯洗剤を使う
もしも混ぜてしまったら…?対処4ステップ
塩素系と酸性の組み合わせとは気付かずに、混ぜてしまうケースが出てくるかもしれません。
そこで、ここからは誤って混ぜてしまった時に対処したい4ステップを解説します。
※あくまでも誤って混ぜてしまった時の一時的な対処法です。意図的に絶対に混ぜないでください。また、誤って混ぜてしまいガスを吸い込んでしまった場合は医療機関を受診してください。こちらにお問い合わせいただいても対応できかねますのでご了承ください。
立ち上がる
刺激臭を感じたら、まずはその場から立ち上がってください。
塩素ガスは空気より重いため、地面の方に溜まっていきます。
「混ぜてしまったけどどうしよう!」としゃがんだままでいるのは大変危険です。
その場を離れる
次に、できるだけその場から離れましょう。
塩素ガスの刺激臭はわかりやすいので、少しでも匂いを感じたらできるだけ吸わないように気をつけてください。
「混ぜたものをどうにかしなければ!」とすぐに処理しようとするのは大変危険なのでやめましょう。
匂いが立ち込める前に換気する
部屋に窓や換気扇がある場合、匂いが立ち込める前に換気してください。
室内に塩素ガスが充満してしまうと大変危険です。
窓がある場合はより効率的に換気ができるように、対角線上の窓を2か所開けましょう。
部屋自体に窓や換気扇がない場合でも、できるだけ近くの窓を開けて換気扇を回してください。
その後は刺激臭を感じなくなるまで、部屋に入らないようにします。
水をかける
塩素ガスは水に溶けやすくなっているので、刺激臭を感じなくなったら混ざった部分や周辺に大量の水をかけましょう。
お風呂場ならシャワーで水を撒く、トイレやキッチンなどでは霧吹きでスプレーすると効果的です。
できるだけ広範囲に水をかけるようにしてください。
空気中の塩素ガスをできるだけ水に溶かすようにしましょう。
具合が悪くなってしまったら
少しの時間でも、塩素ガスを吸ってしまうと具合が悪くなる可能性があります。
具合が悪くなったと感じたら、まずは新鮮な空気を吸いましょう。
目や喉などに違和感がある場合は流水で目を洗ったり、うがいをしたりしてください。
以下に混ぜてしまった場合の症状別の対処法をカンタンにまとめています。
※参照:日本家庭用洗浄剤工業会「洗浄剤を正しく安全に使っていただくために」
塩素ガスは吸いすぎると身体に悪影響を及ぼすため、少しでも不安な場合はすぐに医師に相談しましょう。
まとめ 何と何が「まぜるな危険」なのか知っておこう
塩素系洗剤も酸性洗剤も私たちの身近な洗剤です。
洗剤は何と何が「まぜるな危険」なものなのかを把握し、取り扱いには十分に気をつけましょう。
誤って塩素ガスを発生させてしまっても、慌てずに対処してください。
塩素ガスを吸いすぎてしまうと重大な健康被害につながる恐れがあるため、まずはその場から離れることが大切です。
「まぜるな危険」に気を付けて、正しく洗剤を使おう
この記事では、「まぜるな危険」の表示がある洗剤について解説しました。
「まぜるな危険」とは、「塩素系」の洗剤と「酸性」の洗剤を混ぜてはいけないということです。まぜてしまうと有毒なガスが発生し、人体に影響があります。
1つの洗剤だけではどうしても取れない汚れがあっても「まぜるな危険」の洗剤を混ぜて使うのは絶対にやめましょう。
混ぜることなく正しく洗剤を使ってお掃除をしてくださいね。
洗剤を混ぜて使うことを推奨している記事ではありません。
万が一のトラブル回避のための記事ですので、意図的に混ぜて使用しないでください。
また、この洗剤は混ぜても大丈夫?というお問い合わせにはお応えできませんので、予めご了承ください。
やむを得ず洗剤を続けて使用する場合は、都度十分に水で洗い流してから使用してください。
掃除については「大掃除のコツは?サッシや窓、換気扇など場所別のプロのアイデア7選」も参考にしてみてください!